はじめてのメールマーケティング

本番はこれから!クリック率を上げるために必要な考え方

前回の記事にあるように、メールマーケティングのPDCAを回すためには、配信後にいくつかの指標を確認する必要があります。最初のうちは開封率が10〜15%を下回らないように気をつけ、配信頻度や配信対象、配信内容に気を配って、地道な信頼感の醸成をしていきます。

しかし、人間は徐々に欲がでてくるものです。

ある程度の開封率をキープできるようになったら、今度はクリック率を上げたいと思ってくるはず…!

そこで今回は、クリック率の基本と、上げるために必要な考え方を学びましょう。

クリック率は、開封率よりもさらにコンバージョンに近い重要な指標

クリック率とはCTR(Click Through Rate)とも呼ばれ、配信数に対してメール本文に含まれるURLリンクがクリックされた割合のことです。

1人が何度クリックしても1(ユニーク)としてカウントとする、すべてのクリックをカウントする、etc…計算方法は利用するツールにより異なりますが、効果測定で用いる指標の中で、クリック率とは最も注目すべき重要な指標であるということはご存知でしょうか?

その理由を把握するため、それでは対象顧客の気持ちに立ってイメージしてみましょう。

対象顧客がこのようなフローを辿ることを考慮すると、開封前に離脱される場合には、きっと件名やタイミングが良くなかったのだろう、と推測することができますが、開封後に離脱される場合には、「件名の割に内容が期待はずれだった」「件名も内容も問題ないが、遷移先リンク(URL)の訴求が弱く目立たないためスルーされた」「件名も内容も問題ないが、遷移先リンク(URL)の訴求と内容との関連性が伝わらないためスルーされた」…といったことが原因だと考えられます。

いずれにしても、せっかく最初の開封というハードルをくぐり抜けたのに、なんだかもったいない話しですよね。

上記のフローからもわかる通り、コンバージョン数は遷移先のショップ・サイト側への依存度が高いため、メールのみで獲得を目指すのは無理がありますが、メールというチャネルへの訪問(開封)顧客を遷移先に送客できるか否かは、メールにかかっています。

送客というよりはアテンド(案内、介添え)と考えたほうが、より顧客視点でイメージしやすいかもしれません。

このようなことから、メール内でできる最大のコンバージョンへの貢献は、クリック数をあげることであると言えます。

どのくらいクリック率を得られるかは、配信前にほぼ決まってしまう

それでは、メールのクリック率をあげるためにまず行うべきこととは、一体何でしょうか?

前述のことから、メールのクリック率をあげるためには、内容、リンク訴求、それら2つの関連性の3つ、いずれも重要であることはわかりますが、せっかくなのでもっとズームインして、基本的な「本質」を振り返ってみましょう。

最初の記事にも書いていますが、理想的なメールマーケティングの形とは、顧客それぞれのニーズをあらかじめ把握し、個別の内容を適切なタイミングで配信することです。

そう、クリック率をあげるために行うべきこととは、「配信する内容が対象顧客のニーズにマッチするものなのか?」を考えて、メール設定を行うこと。

それは言い換れば、「配信する内容にふさわしい対象顧客を選択できているのか?」という問いかけでもあります。

よって、まず対象顧客ありきで内容を考えることが最も大切なのです。

なお、メール配信の目的が送客でなく、興味継続目的で情報提供できればOKという場合にはあてはまりませんが、メールのCTAをクリックさせ、遷移先ショップ・サイトへと送客することを目的とする場合には、メールに情報を書きすぎない工夫も必要です。
※Call to Action = 行動喚起の意味。メールの場合にはクリックの喚起となるボタンやイメージなどを指す

通常は、メールよりもショップ・サイトページの方に制作リソースをかけているはずなので、メールでは興味を持ってもらえさえすれば充分!メールをじっくり見ながら購入検討なんて、してくれなくていいのです。だって、たくさんの情報が詰まっているのは、ショップ・サイトページ側なのですから。

興味関心が高まったタイミングでスムーズに送客すべく、CTAの位置を工夫しましょう。

メールのクリック率が上がり、送客ができ、さらにそれが継続できるようになると、徐々にショップ・サイトへ直接訪問してもらえるようになります。

そこに行けば自分のほしいものがあるということを、顧客に覚えてもらえるからです。

このように、開封率やクリック率などの数値を楽しみながら検証する習慣をつけ、少しずつであっても中長期的に継続した方が、結果的にメールマーケティングの成果は得られます。

種まきの時期は未来が見えずに焦ることもあるかと思いますが、少しの変化に一喜一憂できるのは、最初の頃だけの特権とも言えます(だんだん欲張りになるので…)

もし何かに行き詰った時は、メールマーケティング自体が再びもてはやされている昨今、世の中に様々なツールやサービスが溢れているので、無料体験などを試してみると、自分では発見しにくい気づきが得られるかもしれません。

はじめてのメールマーケティングにトライされる際、この記事の内容が少しでもお役にたてますと幸いです。