はじめてのメールマーケティング

特別な方法なんて必要ない!?顧客エンゲージメントの構築

「はじめてのメールマーケティング」7記事目となる今回は、タイトルにちょっと難しい印象の言葉を入れてみました。

それは、エンゲージメント(engagement)という言葉です。
パッと見た時に、みなさんはこちらをどういう意味だと捉えたでしょうか?

エンゲージリングという和製英語(本来はengagement ring)をイメージされた方も多いと思いますが、エンゲージメント(engagement)は、一般的に「約束」「契約」と訳されます。
しかし、この言葉はここ数年、ビジネス・マーケティング用語としては少し異なる意味を持つようになっています。
その用途は、「従業員エンゲージメント」、または「顧客エンゲージメント」。
数あるマーケティングブログやサイトで、すでに目にされたことがあるかもしれません。両者とも会社と従業員・または顧客との「望ましい関係」「絆」を示すのですが、ニュアンスは伝わっても、ちょっと理解がしづらいですよね。

マーケティングの世界でバズワード的に流行る言葉というのは、このように、得てして一見難しそうな印象を与えがちです。
けれども、過去掲載分『どんどんアレンジ!受信ボックスはメールマーケティングの実践参考書』の冒頭にも記載しているように、意味を探ってみると、示すこと自体は以前から個人運営のショップでも行われている、さしあたって高尚なことではなかったりもするのです。

それでは、今回も肩肘張らず、「顧客エンゲージメント」という言葉について、さらにメールマーケティングでの取り組み方について、一緒に考えてみましょう!

エンゲージメント構築のために行われることとは

エンゲージメントを構築、または高めるためによく行われていることは、従業員対象でも、顧客対象でも、実は同じようなことで、会社やショップ・サイトに対して従業員や顧客が感じる「思い入れや愛着心を構築すること」、またはそれらを高めるため、「”何らかの価値がある体験”をさせる仕組みづくり」です。

会社やサイトからお金やクーポンを受け取って喜んでいるイメージ

具体的にはイベントやセミナー、キャンペーンなどで、効果を上げるために何らかの基準で対象者(セグメント)を絞り込むことが一般的です。(例: 新入社員研修、目標達成チームへの報奨、会員限定ファミリーセール、高額購入者への特典など)
もちろん、周知方法はメールに限定されたものではありません。

そう聞くと、「あれ?…エンゲージメント構築って難しく言っても、たしかにそれだと、すでにやっていることだな…」と思われたのではないでしょうか?

エンゲージメント構築のためのメール施策とは

それでは次に、いつものようにショップ・サイトでのメール施策に焦点を絞って考えてみましょう。

まず前提として、メール配信を行う目的は、大きく以下の2パターンがあげられます。

2パターンのメール配信を行う目的のイメージ

一見してわかるように、さっと作りやすいおなじみの施策は(1)の方。訴求行動・体験がシンプルなので、効果もわかりやすいです。
そのため、だいたいのショップ・サイトで、(1)はすでに実施していることでしょう。

一方、(2)の方は、顧客の心情に寄り添って考えないと訴求行動・体験を得られないため、設定にはそれなりのスキルが必要とされ、しかも中長期的に継続しないと効果もなかなか見えにくいです。
なぜなら、”このショップ、なんだかいいな、好きだな”という印象を1度や2度持たせることができたとしても、そのようなゆるい体験はすぐに忘れられてしまうためです。

エンゲージメント構築施策の継続に必要なこと

…もうお気づきですね。このように、エンゲージメント構築のためのメール施策とは、決して特別なものではありません。

ただの販促目的で終わるか、それともエンゲージメント構築目的にもなり得るかは、『伝えるべき内容(What)をどのように届ければ(How)、対象顧客(Who)はファンになってくれるだろうか、愛着を持ってもらうことができるだろうか?』という所を、きちんと考慮して設定できているか、それを継続できているかに依存するのです。

なお、継続するためには当然のことながら、配信停止(=オプトアウト)をされないように注意する必要があります。

メールを配信停止(=オプトアウト)される原因の2トップは、「メール内容の品質が適切でないこと」「メールの配信頻度が適切でないこと」と言われていますが、配信頻度は品質と並ぶほどに、メールマーケティングにおいて重要な要素なのです。

配信停止(=オプトアウト)されたが最後、もはや対象顧客には届かず、見てもらう機会を失ってしまいます。継続が重要な要素であるエンゲージメント構築対策においては、これは致命的。

過去掲載分『やりっぱなしはNG!最初は開封率の改善にトライしましょう』にも記載の通り、しつこすぎると嫌われるというのは、メールに限らず、コミュニケーションの大前提。
しかし、適切な配信頻度を心がければ、配信停止(=オプトアウト)されることなくメールで継続したコミュニケーションを取ることができ、重ねて①のメール内容を顧客視点で考えて一定の品質を保つことができれば、何の気なしに普段配信している販促メールも、立派なエンゲージメント構築目的のメールマーケティング施策となり得るのです。
さらにメール内容を顧客視点で考え、一定の品質を保つことさえできさえすれば、何の気なしに普段配信している販促メールも、立派なエンゲージメント構築目的のメールマーケティング施策となり得るのです。

エンゲージメント構築の結果がもたらすメリット

いかがでしょう、みなさんはエンゲージメント構築目的のメールマーケティングができていると言えますか?

結局のところ、有識者インタビューにもあるように、メールマーケティングのポイント「伝えたい内容を、伝えたい相手に、伝わる表現で、適切なタイミングで伝える」を踏まえていれば、メールマーケティングは成功し、その結果として顧客エンゲージメントを構築し、顧客との絆を得ることができるのです。

エンゲージメント構築の結果がもたらすメリットは、以下のようにいいことばかり。

・リピート率アップによる売上アップ
・良い評価やレビューが増え、悪いものが減る
・商品の品質やサービス向上に役立つ要望を得られる
 (信頼関係ができると、苦言も改善要望として直接寄せてもらえる)

”このショップ、なんだかいいな、好きだな”という印象を継続して中長期的に与えることができれば、いずれ、徐々にこれらのメリットを得られるようになってくるはずです。

はじめてのメールマーケティングにトライされる際、この記事の内容が少しでもお役にたてますと幸いです。